【感情込めて歌う(演技)】は、掴めていない人にとっては浸透しないワード
感情込めて歌う(演技をする)と言うアドバイスのつたわらなさ。
最近では、こういったアドバイスをするスクールさんや養成所の先生は少なくなってきたかと思いますが、
私が若いころには、良く言われたパワーワードです。「感情込めて歌って!」
そして、そういわれると・・・「ん~ちゃんと感情は込めてるんだけどな・・・」と。これは本当です。
感情は込めているのです。ただ、それが伝わらない。ただ、この場合「伝わらないのが問題ではない」のです。
演技の研究をする上で絶対的に必要なのは声とリアクションの研究。
感情を込めているのに、感情がこもっていないと言われる場合には、人にそのリアクションが伝わらないという問題が含まれています。
例えば、「悲しい」「悔しい」と言う感情を表現しているつもりなのに、声や口調、息遣い、言葉を発するタイミングからそれらを読み取れない。という事になります。
そこでやってしまいがちなのが、有名な声優さんや歌手の歌い方や語り方を完全コピーするやり方です。勿論、これは有効な手立てです。ただ、その前にどうしてもやらなくてはいけないことがあります。
悲しい演技=役者〇〇さんの場合は、こうやって読んでいる(演技している)というコピーのやり方です。
おそらく、たいていの方がこの段取りでコピーを行います。ただ、大切なのは、これはたまたま声優さん(役者さん)の〇〇さんだからこその演技だという事です。実は、研究をする際に、
その演技からご自身が読み取った感情やストーリー性を先に分析する必要があります。
「このA役のこの人が、今このシーンでは実はこういう感情を持っている。前からの流れで、今目の前にいる役名Bに対して、本当は裏ではこういう感情を抱いているのに、表にそれを出さないでいるAの心情から、この苦みをつぶた様な渋みを少し出した発音(言葉の出し方)をあえてしている、そして、相手を挑発するように、時折裏声に近い発声から、下に音を下すようにして感情の起伏を表現している」という様なかなり細かい分析をし、さらに
自分がこの役名Aだった場合、この人と同じよう演技をしたとしたら、どういう声のトーンや表現になるか?という事をじっくり考え、自分なりの表現を見つける
という事をします。
最近は、自然な演技を求められることも多いです。
「声で演技をしない」という事を最近では求められることも多いです。
それで考えると、先ほどの研究は、やりすぎるとNGをくらう可能性もあるのですが、ただ、私が考えるに、「声で演技をしない」と言われる背景には、やはりその方そのものの「声」や「演技」になりきれていないからそこに「違和感」が発生するのだと思うのです。
人間の感情的のバリエーションは数多く、「こうしたいけど、こうできない」というものから、「こうしたいけど、こうするのをやめようとおもった、でもやっぱりしようとおもう。」の様に単純ではなく、複雑です。
そういった細かい人間の感情の「揺れ」という物は本人が本当に心底で理解できていないと、発生させきれないもの。だと思っています。だからこそ、台本を読み込み、感情の裏の裏まで読み取り、表現するくらいでちょうど良いのだと思います。
