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もくじ

プロとクライエントさんの通訳士でいることの意味

プロデューサーさん(音響監督)さんやディレクターさんと、クライエントさんというのは立場的には「こうやってください」「こういう風な作品が欲しいです」

と読み手(ナレーターさん)に指示をするという意味では立場が似ているのですが、性質はまるで違います。プロは、いくつもの現場を経て「こういう案件の場合にはこういうパターンが求められている」などの事前情報がかなり経験値的に豊富です。なので、その事前情報に基づいてこちら側(読み手)にアドバイスをしてきます。

代わりに、クライエントさんの場合には純粋に「かわいい」とか「かっこいい」とか「さわやか」というご自身の純粋なイメージをもって伝えてきます。

そして、1つの大きな難しさと言うのが、

「かっこいいもの」と言われて経験値から出された答え(指示)と、実際にクライエントさんが求めるものにズレがある場合や、具体的なイメージが言葉がらどうにも読みとり難い時などです。

そういう時に、結局読みの技術としてはどうしたらよいの?という所を具体的にアドバイスして対策案を提示するのが私の仕事です。

養成所などで、良くあるアドバイスとは?

養成所などでお勉強をしている方の場合、基本が「習う」という姿勢のため、アドバイスする側もプロ現場よりさらに具体的だったり、厳しいアドバイスだったりすることも少なくありません。

プロ現場の場合にはある程度わかる体でことが進むのと、サンプルを聴いてある意味お仕事を依頼していることもあって、ある程度のイメージは出来ているという前提で進むので、

あまりそういったすり合わせのシーンというのは少ないのですが、養成所やワークショップの場合にはできていない所を徹底的につぶしていく、というような目的がある意味あるので

「もっとこうして」というアドバイスを受けることが少なくないのです。

そうなった時によく言われているアドバイスとしては、「読み込みが甘い」「絵が伝わりづらい」という事が圧倒的に多いです。

読み込みが甘い。というのは、セリフであってもナレーションであっても文章の表面上の部分ではなく、「何が言いたいのか」というのをどれくらい読み込めているか?そして、読み込んで、どれくらい表現できているか?

という所になります。

実は、大事なのはボーカルのレッスンも同じですが、「感情を込めなさい」というアドバイスを受けて、感情を込めても、込めているものが表面に現れない。という事実上の問題が起り得ます。

それはそうですよね?

心で思っても、思っていることを声として表現に出来なければ意味がない。ですから、実際の所すべては「表現」と、それを表に出せる「技術」しかないのです。

絵が見えない。というのも、文章において適正な音域、リズム、間 で読めているかどうか?それが、そのシーンにあっているか。

実際の所、それ以外方法論がありません。ですので、やはり技術を伸ばす。さらに、どこで、どうその技術を表現したら、そう聞こえるのか。

それしか方法が無いのです。

というわけで、私の仕事は、先述した「プロ」の声、「先生からのアドバイス」をより具現化して通訳をする。というものなのです。

 

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