声優さんが陥るナレーションの読み方
最近、声優さんや声優さん志望の方が「ナレーションも勉強したい」と言ってきてくださることが多くなりました。
ナレーションはとても難しいです。結構、外画のアテレコ風に読んでしまう方もいらっしゃいますしセリフ調で読んでしまい「かぎかっこ」の部分以外もセリフ調になってしまう方が多く見受けられます。「それってセンスの問題じゃない?」と言われると言い返せないのですが、でも今までの生徒さん方の傾向を見ていると「慣れ」が一番だと感じます。
好きなナレーターさんの読みを真似する。
好きなナレーターさんの読みを真似していくのはすごく効果的です。ただし声を真似る必要はないのです。声ではなくて「ナレーションのコツ」を真似します。例えば、音が上から下に流れていくか、下から上に流れていくか、句読点で短く区切られている部分(名称を羅列されているようなもの)に関しては変化を付けて読んでいくとか、そういった細かい動きをまねていくのです。
それが出来てくると、まず自分の癖を知ることになります。
ナレーションの文章は、「セリフ」ではない。
ナレーションを読むときに難しいのが、「誰に対して語りたいのか」という事を問われるわりには、語りかける「セリフ」になってはいけない、という事であります。じゃあ、別に誰かに語り掛ける必要はない、と思いがちなのですがそれですと「状況説明」になってしまうのです。ここが一番難しいのです。
セリフが流れてしまう。「語り口調になってしまう」。大きなアクセントが文章全体についてしまう。(気づかない場合が多いです)。こうなると、実際にセリフの鍵かっこや「テーマ」だったり「名称」の鍵かっこが出てきたときに、引き立たなくなります。ナレーションを読む場合は「単語レベル」でのピックアップが必要だと伝えています。
この文章で一番重要なのは何か?
それを見極めて単語レベルでピックアップをしていくのです。単語レベルのピックアップを正しく行っていくと、文章全体の流れが必然的に自然になります。これは、意外とわかられないのですがやってみると驚くほどに文章が整います。
実は、声優さんとしてセリフを読んでいる時にはやりづらい滑舌などが、気にならないレベルに修正されることもあります。
何故なら、声優さんは時として声を「口の中で作ってしまう」ことが多いからです。
口の中では声は作りません。言葉を作ります。もっと言うと言葉も、有声音はすべて声帯に依るところであり、実際の子音の構築は唇がメインだったりします。
唇と「口」は違うんですよ~。なんて話すこともあるのです。
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